シスメックス株式会社

Press Release
  プレスリリース 2015
肝臓の線維化検査用試薬(HISCL M2BPGi試薬)が保険適用
~血液で慢性肝炎から肝硬変に至る肝臓の線維化の進行度を迅速に判定~
Date2015年1月5日
プレスリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。

 シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長:家次 恒 以下「シスメックス」)は、このたび肝臓の線維化検査用試薬(HISCL M2BPGi試薬)が2015年1月1日付けで保険適用を受けましたのでお知らせします。
 本試薬は、進行することで肝細胞がんの原因となる恐れがある慢性肝炎・肝硬変へ至る肝線維化の進行を、医療機関の臨床検査室などで、採血のみ(血清)で17分と短時間に測定することができるものです。保険適用により、より多くの病院で簡単に検査を受けることができ、慢性肝炎に起因する疾病の早期発見や治療モニタリングにおける患者さんの負担軽減が期待できます。


 ウイルス性肝炎は、日本では約300万人が感染する国内最大の感染症であり、感染した状態を放置すると、肝細胞がんへ進行する可能性があるなど重篤な病態を招く疾患です。独立行政法人国立がん研究センターがまとめた「がん統計情報」によると、日本における2011年の肝細胞がんによる死亡者数は31,800人にのぼり、肺がん、胃がん、大腸がんに次いで4番目に死亡者数の多いがん種となっています。またWHOの報告によると、全世界の感染者数は約4億人、2010年の死亡者数は約140万人にのぼり、世界的に重篤な感染症の一つです。
 ウイルス性慢性肝炎から肝細胞がんへ進行する過程では、線維に富んだ組織が肝臓に蓄積し肝臓の機能が徐々に損なわれていきます。ウイルス性慢性肝炎の治療プロセスにおいては、進行する肝臓の線維化の程度を判定することが重要であり、その検査は肝臓組織を採取して行う生検(生体組織診断)が主流です。しかし、生検は入院する必要があり、侵襲性が高いため、身体的、経済的な側面で患者さんの負担が大きいことが課題でした。
 シスメックスは、独立行政法人産業技術総合研究所(つくば本部:茨城県つくば市、理事長:中鉢 良治) 旧糖鎖医工学研究センター(元研究センター長:成松 久)と共同で、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(本部:神奈川県川崎市、理事長:古川 一夫)のプロジェクトの成果をもとにウイルス性肝炎に起因する疾病(肝線維化)の進行を、採血のみで検査できる試薬を開発し、2013年12月10日に薬事承認(製造販売承認)を得て、世界で初めて糖鎖マーカーを用いた肝臓の線維化検査技術の実用化に成功しました。

 このたび肝臓の線維化検査用試薬が、2015年1月1日付けで保険適用を受けました。
 本試薬とシスメックスの全自動免疫測定装置HISCLシリーズ(HISCL-5000/2000i/800)を用いることで、肝細胞がんの原因となる慢性肝炎・肝硬変へ至る肝線維化の進行の程度を、採血のみで、わずか17分程度で迅速に測定できます。保険適用により、より多くの病院で採血のみで検査を受けることができ、慢性肝炎に起因する疾病の早期発見や治療モニタリングにおける患者さんの負担軽減が期待できます。

 今後は、医療機関、検査センターを中心に国内市場での導入を進めていきます。さらに、肝疾患が多い中国をはじめアジア諸国にも順次、導入を進めていく予定です。
 シスメックスは、今後も患者さんの負担軽減や検査の質の向上に寄与するとともに、お客様に安心をお届けします。

【保険適用の内容】
測定項目:

Mac-2 結合蛋白 (M2BP)糖鎖修飾異性体

参考点数: D215-2 肝硬度測定 200点
   
【Mac-2 結合蛋白 (M2BP)糖鎖修飾異性体の概要】
測定方法:

2ステップサンドイッチ法を用いた化学発光酵素免疫測定法

測定内容: 血清中のMac-2 Binding Protein (M2BP)糖鎖修飾異性体の測定
(肝臓の線維化進展の診断の補助)
有用性: 慢性肝炎および肝硬変の診断・治療において、肝臓の線維化ステージの診断を補助し、治療方針の指標およびモニタリングに用いられる

【参考】

2013年12月26日リリース
「世界初となる糖鎖マーカーを用いた肝線維化検査技術の実用化に成功
- 肝炎から肝硬変に至る肝臓の線維化の進行度を迅速に判定 -」
http://www.sysmex.co.jp/news/press/2013/131226.html

【注釈】
※ 

糖鎖は細胞表面やタンパク質上に存在する糖が連なった物質。「細胞やタンパク質の衣装」とも例えられる。個々の細胞に特異的な情報伝達や細胞間コミュニケーションなどの役割を果たしている。糖鎖マーカーは糖タンパク質に存在する糖鎖の構造変化をターゲットにしたバイオマーカー。

 

以上


2015年

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